次の記事:《広角レンズ》「記名式ごみ袋」見直しへ 採用の茨城県内10市 個人情報保護、揺れる運用 

《いばらき御朱印めぐり》茨城 取手市 無量山光明寺

光明寺本堂の前で御朱印を手に立つ倉持武士住職=取手市桑原
光明寺本堂の前で御朱印を手に立つ倉持武士住職=取手市桑原
(左から)阿弥陀如来、寿老人の御朱印
(左から)阿弥陀如来、寿老人の御朱印
とりで利根川七福神の一つで、寿老人が祀られている
とりで利根川七福神の一つで、寿老人が祀られている


■市阿弥陀如来、寿老人の2種 極楽往生と健康願う

茨城県取手市桑原の無量山光明寺は来年の秋、創建から750年の節目を記念し、長年にわたって秘仏としてきた本尊の阿弥陀(あみだ)如来を開帳する。市内7寺院に設置された「とりで利根川七福神」の一つ、寿老人も祀(まつ)っている同寺は、本尊と寿老人の2種類の御朱印を頒布している。

1276(建治2)年に創建された。案内してくれた倉持武士(ぶじ)住職(49)によると、寺は市内の稲地区の高台にあったが、火事に遭ったため、16世紀に現在地へ移った。由緒については記録が残っておらず、不明な点が少なくないという。

門をくぐると、右側に除夜の鐘を鳴らすのに使われる「希望の鐘」が見える。看板に目をやると、「南天の寺」の文字。冬に赤くて丸い小さな実をつける常緑低木、ナンテンが境内のあちこちに植えられていることが由来だそうで、倉持住職は「おそらく先代の時に植えられたものだろう。『難を転じる』から、苦難を避けるという意味が込められている」と教えてくれた。

その隣に、小説家で劇作家の長谷川伸(1884~1963年)の歌碑が立つ。長谷川の戯曲「一本刀土俵入」の舞台が取手だった縁で、歌碑には「千両 万両 積んでも枉(ま)げぬ 意地も情にや 弱くなる」と、作品を通じて義理と人情を描いた長谷川の言葉が刻まれている。

奥に進むと、30年以上前に建て直されたという本堂に突き当たる。極楽往生の御利益があるとされる本尊の阿弥陀如来は「請雨(しょうう)の弥陀」として勧請(かんじょう)されたもので、倉持住職は「ここは昔から農家が多かった。土地にあったご本尊が迎えられたのでは」と推し量る。

本堂のそばには、寿老人の像も。市内寺院に祀られた「とりで利根川七福神」の一つで、健康長寿の御利益があるとされる。

御朱印は阿弥陀如来と寿老人の2種類。中央にはそれぞれ阿弥陀如来を表す梵字(ぼんじ)「キリーク」の印と、寿老人の印が押されている。毎年1月は、文字が金色の正月バージョンになる。

倉持住職は「御朱印は仏様をお迎えするもの。丁寧な気持ちで、本堂の前で手を合わせてお参りしてから受け取ってほしい」とし、「七福神めぐりで他のお寺と併せて来ていただけたら」と呼びかけた。(おわり)

■メモ
アクセス:JR取手駅から約1.7キロ、徒歩約20分。バス停「光明寺」から徒歩1分
住所:取手市桑原1133
(電)0297(72)2378
受付時間:午前9時~午後5時
御朱印:阿弥陀如来、寿老人が各500円



関連記事

茨城の求人情報