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《いばらき御朱印めぐり》結城市 結城諏訪神社

御朱印を手に結城諏訪神社の拝殿の前に立つ山川誠人宮司=結城市上山川
御朱印を手に結城諏訪神社の拝殿の前に立つ山川誠人宮司=結城市上山川
(左上から時計回りに)三蔵神社、雨降り社、万事必勝、大山祇の舞、一粒億倍日の御朱印
(左上から時計回りに)三蔵神社、雨降り社、万事必勝、大山祇の舞、一粒億倍日の御朱印
触りながら願い事をするとかなうという「勝負岩」
触りながら願い事をするとかなうという「勝負岩」


■「一粒億倍日」、月替わりも 万事必勝や災厄好転

スポーツ、受験、ビジネス…。茨城県結城市上小川の結城諏訪神社は、あらゆる勝負事に御利益をもたらす「万事必勝の神」、建御名方神(たけみなかたのかみ)を祭る。御朱印は通常版2種類に加え、一粒万倍日限定や神事を表した月替わりの絵柄など、豊富な種類を用意する。

創立は940(天慶3)年。故事によると、朝廷から平将門討伐を命じられた藤原秀郷が、信仰する諏訪大社(長野県)の神霊を現在の境内の地に招き、戦勝を祈願して弓を引いた。戦に勝利した秀郷が社殿を造り、弓矢を御神体として奉納したのが始まりだ。その後も、源頼朝の奥州攻めを前に参拝して勝利を収めた結城朝光(ともみつ)をはじめ、多くの武将の信仰を受けてきたと伝えられる。

通常の御朱印は、秀郷が退治したとの伝説が残る大ムカデの印を押した「万事必勝」と「雨降り社」の2種類。境内にある雨降り社では、江戸-昭和初期にかけて雨乞いの儀式が行われていた。現在は「雨降って地固まる」ということわざから、災厄が好転する御利益があるとされる。

2022年から、一粒万倍日限定で「一粒億倍日」の御朱印を頒布する。神社の御利益である「万事必勝」の万と一粒万倍日の万をかけると億になることが由来で、御神体の弓矢と稲穂が交差するデザインで表した。数年前、平日にもかかわらず普段より参拝客が多い日があった。その日は一粒万倍日と天赦日が重なっていることに気付いた山川誠人宮司(44)が、関心の高さに着目し考案した。

毎年4月3日の例大祭で奉納される太々神楽(だいだいかぐら)は、県無形民俗文化財。構成する12の舞は月替わり御朱印の絵柄となっており、5月は神楽の最後で山の神がお供え物の餅をまく「大山祇(おおやまづみ)の舞」を描く。これらに加え、結城諏訪神社が管理する三蔵神社(結城市田間)の西遊記の印を押した御朱印も授与する。

結城諏訪神社の見どころとして、秀郷を敵の矢から守ったとされる、高さ約1.5メートル、幅約2メートルの「勝負岩」がある。岩を触りながら願い事をすると、願いがかなうという。

社殿は、長野県の諏訪大社がある西向きに位置する。県道20号に面しているのは裏側で、反対方向から約300メートルの参道が真っすぐ延びる。山川宮司によると、江戸時代に流鏑馬(やぶさめ)が行われるなど神社を象徴する場所だった参道だが、現在はここを通らず参拝する人が少なくないという。そこで今年2~3月、奉納者を募って参道の左右に50本ずつモミジを植えた。「多くの人に参道を歩いてほしい。新緑や紅葉の季節など、神社の新たな名所になれば」と話した。

■メモ
アクセス:桜川筑西ICから約30キロ、車で40分
住所:結城市上山川161の1
(電)0296(35)6007
受付時間:午前9時~午後4時
御朱印:通常版、三蔵神社は各500円、一粒万倍日限定、月替わりは各800円



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