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《いばらき御朱印めぐり》守谷総鎮守八坂神社 じか書きにこだわり

「参拝してくれた人とのコミュニケーションを大切にしたい」などと話す宮司の下村良弘さん=守谷市本町の守谷総鎮守八坂神社
「参拝してくれた人とのコミュニケーションを大切にしたい」などと話す宮司の下村良弘さん=守谷市本町の守谷総鎮守八坂神社
神話を基にデザインされた御朱印帳と見開きの御朱印、「牛頭天王宮」(左から)
神話を基にデザインされた御朱印帳と見開きの御朱印、「牛頭天王宮」(左から)


■ご神木に願い事込めて

茨城県守谷市本町の住宅街を車で進んでいくと、右手に見えてくる「守谷総鎮守八坂神社」。創建は806(大同元)年。現高野地区に建てられたのが始まりだ。主祭神は「素戔嗚尊(すさのおのみこと)」。ここでは、古事記にも出てくる素戔嗚尊の八岐大蛇(やまたのおろち)退治をモチーフとした御朱印を用意している。総本社は京都祇園の古社「八坂神社」。

拝殿に入ると、壁には幕末から明治にかけて活躍した狩野派の日本画家、狩野友信(1843~1912年)が描いた八岐大蛇退治の絵馬が飾られている。

同神社では通年で、じか書きの御朱印を2種類を頒布している。神仏習合で素戔嗚尊と同一視される牛頭天王(ごずてんのう)としたためた御朱印「牛頭天王宮」と、見開きの御朱印「素戔嗚尊八岐大蛇退治図」だ。ほかに、7月に行われる守谷市無形文化財の祭り「祇園祭」にちなんだ「御霊会(ごりょうえ)御朱印」が期間限定である。「御霊会とは、八坂神社の祇園祭のことを指します」と、宮司の下村良弘さん(48)。

見開きの御朱印は7、8年前から登場している同神社オリジナル御朱印帳の絵柄と同じだ。「神社由来のモチーフで、参拝の思い出になるものを提供し、喜んでもらいたい」と、デザイン会社と相談し、迫力のある素戔嗚尊や八岐大蛇の印を制作した。

同神社では、コロナ禍でも御朱印の頒布はじか書きにこだわる。だた、社務で多忙の場合は参拝者の希望に応じて、書き置きを渡すこともあるという。担当するのは下村宮司と妻、職員の3人。それぞれ筆致が異なるが、下村宮司は「字が上手、下手ではない。参拝者とのコミュニケーションを大切にしたい」と話す。

見どころは、拝殿左手にそびえ立つ推定400年を超えるご神木。見上げていくと、一度分かれた枝と枝が結び合っている。「実を結ぶ。おみくじを結ぶなど日本には『結ぶ』信仰がある。皆さんの願いを込めてもらいたい」(下村宮司)。ご神木の周囲には、さまざまな願い事が書かれた絵馬が所狭しとかけられる。

ほかにも境内入り口付近にある、同神社を象徴する左右の2本のイチョウの巨木も目を引く。「1本は数年前の台風の影響を受けやむなく伐採したが、新芽が芽吹き再生している。その様子をぜひ見てほしい」と、穏やかな口調で語った。(第1土曜日掲載)

■メモ
アクセス…常磐自動車道谷和原インターチェンジから車で約10分。
住所…守谷市本町629
電話…0297(46)2788
御朱印…見開きの御朱印は1000円。「牛頭天王宮」と7月限定の「御霊会御朱印」は各500円。
受付時間…午前9時~午後5時。年中無休。



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