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《旬もの》春ハクサイ(茨城・八千代町)

やわらかな食感が特長の春ハクサイ。馬場章さんが取れたてを手に笑顔を見せる=八千代町水口
やわらかな食感が特長の春ハクサイ。馬場章さんが取れたてを手に笑顔を見せる=八千代町水口
出荷前に切って育成状態などをチェックする
出荷前に切って育成状態などをチェックする
旬を迎え、次々と畑から運び出される
旬を迎え、次々と畑から運び出される


■歯切れ良く、程よい甘み

寒さ厳しい冬の夜は、肉や魚、根菜類、葉物野菜、キノコ類、豆腐など何でも土鍋に放り込み、さまざまなだしで煮込む鍋が人気。その寄せ鍋に欠かせないのがハクサイだ。茨城県はハクサイ生産量が全国1位。特に県西部に位置するJA常総ひかり管内は、平地が多く、肥沃(ひよく)で、県内最大の産地を形成している。

ところで今回取り上げる春ハクサイは、「鍋の常備菜」としてのハクサイとは少々異なる。茨城県ではハクサイは主に10月中旬から5月後半まで栽培されている。その中で11~12月に畑に定植し、3~5月ごろまでに収穫するものを春ハクサイと呼び、秋冬ものとは区別されているのだ。

春まだき3月中旬、一面ビニールトンネルが並ぶ同県八千代町のハクサイ畑。代々農業を営む馬場章さん(71)の畑では早くも収穫と出荷が始まっていた。最盛期には毎日800ケースを東京をはじめとした首都圏、北は新潟、宮城、西は名古屋、大阪まで出荷している。

見てくれはどこでも見られるハクサイそのもの。秋冬ものと春ものの違いについて、ずばり馬場さんに尋ねると「寒い時期に定植をし、だんだん暖かくなる中で成長するので、食感がやわらかく、歯切れが良い。外葉の緑が濃いのも特徴」と説明してくれた。

甘みは秋冬ものが勝るが、春ものは程よい甘みが漬物やサラダなど生で食するのに最適だという。そのやわらかい味わいを例えて「魚で言ったらトロだわな」と馬場さんはいたずらっぽく笑う。

品質を保つためJA常総ひかりではシーズン中、毎日畑を回って芯の伸び具合をチェック。収穫時期や営農アドバイスなどきめ細かくバックアップする。

ハクサイは細胞を酸化ストレスから守り、老化の進行を抑制するといわれる。食物繊維は便秘を予防し腸内の健康を助ける。血糖値を安定させる働きもある。カロテノイドは、視力保持やがん予防に役立つ可能性も指摘されている。低カロリーかつ脂肪も少なく健康食品としてうってつけだ。

葉ばかりではない「芯を薄く切ってみそ汁に入れてごらん。うまいから」と馬場さん。さっそく試してみよう。

■メモ 春ハクサイ
▽JA常総ひかり八千代支店の住所は、茨城県八千代町若1477
▽出荷シーズンは3月中旬~5月下旬
▽問い合わせは同支店(電)0296(48)0713



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