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《旬もの》小ねぎ(茨城・常陸太田市)

小ねぎを手にハウスで笑顔を見せる栗原玄樹社長=常陸太田市芦間町
小ねぎを手にハウスで笑顔を見せる栗原玄樹社長=常陸太田市芦間町
小ねぎで作った「ネギキムチ」
小ねぎで作った「ネギキムチ」
発芽から10日目の小ねぎ
発芽から10日目の小ねぎ


■生食のおいしさ キムチで

関東でネギといえば、茎に土を寄せて根元を長く透き通るような白さに育てる根深ネギ。鍋に薬味、焼いてもおいしい。他方、関西では土寄せせずに育てる葉ネギ(青ネギ)が主流だ。それぞれの風土が育てたネギは、東西食文化を分ける野菜でもある。

茨城県常陸太田市の「栗原農園」は「おいしく 楽しく 野菜とお米で笑顔に!」をモットーに、水耕栽培による「小ねぎ」をメインにレタス類、セロリ、ルッコラなどサラダ野菜、米を生産している。

同園は1993年、現社長、栗原玄樹さん(38)の父親が創業した。小ねぎは「今ほど一般的ではなく、作る人も少ない-と始まった」と栗原さん。現在ハウス90アールで小ねぎを作り、10アールでサラダ野菜類20種を栽培している。

ハウスに入ると水耕栽培ベッドの上で育つ小ねぎは青々として波のよう。発芽したばかりの苗から約60センチの収穫間際まで、成長度合いごとのハウスが並ぶ。

気を使うのはハウス内の気候や肥料のバランス。栗原さんは「きちんと整え、しっかりとした苗を育てることが大事」と言い切る。しかしよかれと思ったことがうまくいくとは限らないという。

「野菜作りは毎年毎日試してはやり直しの繰り返し。やはり自分が食べておいしく、納得できるものを作りたい」と力を込め、「野菜作りにゴールはない」ときっぱり。

小ねぎは生で食べるのがおいしいというが、「それだけをたくさん食べるものでもないし、賞味期限も短い」。そこで生の味わいを楽しめ、新たな価値を加える「ネギキムチ」を作ることにした。委託に頼らず、栗原さん自身が食べたい味を見つけ、キムチのたれも内製している。これが思いのほか好評を博した。

「6次産業化と意気込んだわけでもなく、試作したら単純においしかったから」とさらりと話す栗原さん。だが、軽いきっかけがもたらした、思いがけない好結果を楽しんでもいるようだ。

「育てる人、料理する人、食べる人、みんな楽しく-が基本。生産も経営も、そこはぶれずに、農業を通して多くの人に笑顔になってもらうことを目指しています」と理念を語る。

■メモ 小ねぎ
▽栗原農園の住所は茨城県常陸太田市芦間町1263の1
▽問い合わせ(電)0294(76)0120 ファクス0294(76)0259
▽サイトURLはhttps://kuriharafarm.jp/
▽県内取扱店はかわねや、カスミ一部店舗など。ホームページにも掲載。



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