《旬もの》春レタス(茨城・八千代町)



■丸々緑、シャキシャキ食感
鮮やかな緑、シャキシャキとした食感、サラダにもサンドイッチにも、炒めても、鍋に入れてもおいしいレタス。茨城県は県西地域を主産地に生産量全国2位を誇る。
同県八千代町のレタス農家、水書諭さん(47)の畑には、真っすぐなビニールトンネルが黒土の上に幾条にも伸び、日の光に白く輝いていた。中は昨年12月に定植した「春レタス」が丸々と密集して、見るからにみずみずしい。
どういうレタスがいいのかを聞くと「農家としては、玉がしっかりと大きいものが良いと思うけれど、消費者には重みがあってふんわりとした玉が好まれるようです」。
水書さんは約3ヘクタールの畑でレタス、ピーマン、加工用トマトを生産し、主力のレタスは春と秋に出荷。葉数が多く、低温期でも玉が大きく育つ促成栽培の春レタス「クールガイ」の収穫・出荷が数日前から始まっていた。
トレーに種をまき、発芽から約45日前後、葉が4枚に育った苗を畑に定植する。植えてから約80~90日で収穫となるが、「レタスが畑に根を張るまでの期間は気が抜けない。大雨や台風など荒天は大敵。雨が多いと根腐れ病が出やすい」ため、常に天気予報に注意を払う。
18歳から父親の下で就農し、最初は白菜作りに励んだ。「おやじは口数が多い方ではなく『俺のやり方を見て覚えろ』というタイプ。見よう見まね、怒られながら取り組んだ」と就農当時を笑顔で振り返る。
白菜からレタス栽培に転じたのは21歳の時。「(レタスを)作っている人がいなかったから。この辺では一番早かった」と事もなげに言うが、苦労も少なくなかったという。
「一つとして同じ畑はない。土壌を調べ、過剰な成分は抑え、不足の栄養分は肥料で補う。有機質肥料を70%以上使い、個々の畑に合った肥料設計」を心がける。結果が良ければ続け、悪ければ考え直す土づくりを「29年間やってきて、種まき、作付けから収穫、出荷まで一連の作業は全て頭の中にある」と笑う。
一方で「生産者目線で多少の出来不出来はあっても、消費者への安定供給を続けるのは大事だし、それをやってきた」と自負をのぞかせる。
■メモ 春レタス
▽JA常総ひかり八千代地域営農経済センターの住所は茨城県八千代町太田755の2
▽促成栽培の春レタスの出荷は6月ごろまで。秋レタスは10月ごろから出荷される。
▽問い合わせは同センター(電)0296(48)2890
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