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《食いこ》慈久庵 咸亨酒店(茨城・常陸太田市)

ドーム型の天井が特徴の店内。人気の魯肉飯(手前)などのメニューを手がける料理長の中西雄輔さん=常陸太田市内堀町
ドーム型の天井が特徴の店内。人気の魯肉飯(手前)などのメニューを手がける料理長の中西雄輔さん=常陸太田市内堀町
県産丸鶏でだしを取り、生米から炊いた中華粥
県産丸鶏でだしを取り、生米から炊いた中華粥
ヨネビシ醤油の蔵を改装した店舗
ヨネビシ醤油の蔵を改装した店舗


■茨城県産食材 やさしい中華

茨城県常陸太田市内堀町に本格中華の料理店「慈久庵 咸亨酒店(かんきょうしゅてん)」がある。県産食材にこだわり、魯肉飯(ルーローハン)や中華粥(がゆ)が人気だ。料理長の中西雄輔さん(47)は「年齢を問わず誰にでも気に入られる料理を作っていきたい」と語る。

咸亨酒店は東京・神田神保町で約25年前にオープン。店名は中国・上海にある同名の店に由来し、許可を得て使用している。東京の店舗は施設の老朽化などを理由に閉店し2024年7月、同市に本社がある老舗「ヨネビシ醤油(しょうゆ)」の蔵を改装して店を開くことになった。調理は咸亨酒店の関係店舗で約22年にわたって腕を振るってきた中西さんが担当する。

同市での開業に当たり、「地元食材を使って、安くておいしい料理を提供する」というコンセプトを掲げた同店。東京時代とはメニューを大幅に変更したほか、来店者の年齢層を踏まえ、料理全体の味付けも以前に比べ辛さや味の濃さを抑える工夫をしているという。

人気メニューの魯肉飯には、茨城県ブランド豚「ローズポーク」のバラ肉と肩ロースを使用。約半日がかりで下準備から調理を行う。味付けには「中華料理との相性が抜群」という同社のしょうゆを使用。魯肉飯には欠かせない香辛料の八角は、苦手な人を考慮して少なめにした。

中華粥は県産の丸鶏でだしを取ったスープを使い、生米から炊く。日本の粥と違って味をしっかりと付けるため、初めて食べる人には驚かれることも少なくないという。「味変」のため、ピータンか豚の角煮も選べる。合わせて、豆腐の麹(こうじ)漬けと揚げワンタンが付く。

来店者からは「常陸太田でこんなに本格的な中華料理を食べられるとは」と驚かれることも。このほか、東京時代の味を懐かしむ人から当時のメニュー復刻を望む声もあるという。そうした希望にも応え、酢辛麺(サンラーメン)をメニューに取り入れた。

中西さんは東京都世田谷区の生まれで、咸亨酒店を再開するに当たり、同店会長のオファーを受けて茨城へやって来た。「自由にやりたい料理を作れるので、すごく充実している。これから夏に向けて、冷やし中華を何種類か提供できれば」と語った。

■お出かけ情報
▽茨城県常陸太田市内堀町257の3
▽営業時間は午前11時~午後2時、同4時~7時、事前予約で営業時間の延長も可、コース料理も要相談
▽定休日は月曜(祝日の場合は翌日)
▽(電)0294(72)2256



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