《食いこ》OwL(茨城・つくば市)
■日本茶の奥深さ感じて
茨城県つくば市二の宮の洞峰公園近くに店を構える日本茶専門店・和カフェ「OwL」。ポップなロゴ、茶葉をあしらった壁紙、畳のソファ…。和と洋が調和する店内には、「ふらっと立ち寄れて、お茶も食事も楽しめる場所。日本茶の魅力を知るきっかけにしてほしい」という代表の八木秀樹さん(37)のこだわりが詰まっている。
八木さんは静岡県の煎茶業の家に生まれた。筑波大に進学、市内のハンバーガーカフェで働く中で、自分らしい店を持ちたいと考え始めた。自身のルーツとハンバーガーを組み合わせ、従来の日本茶専門店のイメージを覆す新しい店を-。同カフェを引き継いで経営を学び、日本茶マイスターの資格を取るなど9年かけて構想。2021年に現在の店を開いた。
煎茶を中心にほうじ茶、和紅茶など10種類以上を販売。特別感のある抹茶に比べ、日常的なイメージのある煎茶は、いかに付加価値を付けて販売するかが課題だという。そこで、リビングなど洋の空間にもマッチし、飾りたい、贈りたいと思ってもらえるパッケージを制作。店名のフクロウをあしらい、お茶とともに幸せを運びたいという願いを込めた。
本格的な日本茶やお茶尽くしのフードが楽しめるカフェは、いわば「日本茶の入り口」。煎茶の奥深さ、面白さを気軽に体験してもらう狙いがある。メニューには静岡県産の「やぶきた」、鹿児島県産の「ゆたかみどり」など、さまざまな品種・産地の日本茶がずらりと並ぶ。
お薦めは中蒸しの「つゆひかり」。1杯目は60度の低温で提供される。美しい薄緑色が白い湯飲みに映え、口に含むと癖がなく、だしのようなうまみがふわりと広がる。客自身で入れる2杯目以降は濃い緑色に変わり、独特の渋みがあって後味はすっきり。3、4杯目と飲み進めるたびにがらりと味わいが変わる。「違いを知れば、自分や相手の好みで入れられる。それってすごくいい文化だと思う」と胸を張る。
人気商品の「モッツァレラ大葉チーズバーガー」は、ほうじ茶を練り込んだ自家製バンズが肉の香ばしさを引き立て、さっぱりした大葉がアクセント。ボリュームたっぷりだが、ぺろりと食べられる。
■お出かけ情報
OwL(アウル)
▽茨城県つくば市二の宮2の14の16 CENTRAL88 1階
▽営業時間は午前11時から午後9時(ラストオーダー同8時)
▽水曜定休
▽(電)029(858)3855
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