《食いこ》Food&Cafe LAX STORE(茨城・鉾田市)




■箸で食べるホットドッグ
ホットドッグが生まれたのは19世紀の米国。諸説ある由来の一つに、当初は手づかみで食べていたソーセージが熱かったため、バンズ(パン)に挟んで食べるようになったという説がある。だが、片手で手軽に食べられるホットドッグを箸で食べる時代が来るとは誰が予想しただろう。
茨城県鉾田市勝下の「Food&Cafe LAX STORE」が提供する「茨城ドッグ」(800円)は、生産量全国1位の同市産ミズナをバンズが隠れるほどのせた看板メニューだ。口の周りや手を汚さぬよう、箸を添えて提供している。
ケチャップやマスタード、タマネギ、ピクルスなどはかけ放題。シャキシャキとしたミズナの食感を楽しみながら、ジューシーなソーセージとバンズを口いっぱいに頬張れば、茨城ドッグのファンになること間違いなしだ。
バックパッカーとして米国を渡り歩いたという店主の千葉正弘さん(54)は2000年代半ば、帰国後に経営していた古着店前でホットドッグを販売し始めた。「家族で古着店を訪れても、関心があったのは旦那さんだけ」。女性や子どもたちにも喜んでもらおうと、米国滞在時に慣れ親しんだホットドッグを提供したところ評判となり、キッチンカーで移動販売を始めるまでになった。
名物の茨城ドッグが誕生したのは15年。キッチンカーが本業となり、県内外を駆け巡っていた千葉さんの元に、国営ひたち海浜公園(同県ひたちなか市)から出店の打診が届いたのがきっかけだった。「茨城らしい商品を」と考えを巡らせ、古里への恩返しの意味も込めて鉾田市産ミズナを前面に出した商品を考案した。
21年に開業した店舗は、米・サンタモニカの店をイメージ。茨城ドッグをはじめ、「ツナドッグ」(800円)、「ミートドッグ」(900円)などホットドッグだけで計12種類を提供する。
ほかにも「しょうが焼き定食」(1000円)や「BEEFハンバーグ定食」(1200円)が人気。中でも「スタミナ定食」(1000円)は、ニンニクを効かせながらも、あっさりした味わいだ。
千葉さんは「キッチンカーで茨城ドッグを知った人に、店舗も訪れてもらえれば」と笑顔を見せる。
■お出かけ情報
▽茨城県鉾田市勝下1472の2
▽営業時間は午前11時半~午後8時半
▽定休日は木曜、第3水曜
▽(電)0291(32)7606
▽インスタグラムのアカウントはlax_store_2008