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《食いこ》カド(茨城・日立市)

イギリスの貴族の別荘をイメージした店内で、ジュースとサンドイッチを手にほほ笑む店主の宮地隆治さん=日立市久慈町
イギリスの貴族の別荘をイメージした店内で、ジュースとサンドイッチを手にほほ笑む店主の宮地隆治さん=日立市久慈町
創業当初から使い続けている看板
創業当初から使い続けている看板
人気の「くるみパンのなすモッツァレラサンド」
人気の「くるみパンのなすモッツァレラサンド」
カド
カド


■美術館のような喫茶店

緑を基調とした店内に、絵画やシャンデリア、古時計などが飾られた茨城県日立市の喫茶店「カド」。東京・向島で65年続いた店舗は建物の老朽化で閉じ、2024年8月、同市で再オープンした。店主の宮地隆治さん(56)は「ここは小さな美術館。大切な人に見せたいと思ってもらえるような、心が豊かになる店になりたい」と語る。

父の拾吉(とうきち)さんが1958年に店を開いた。交差点の角にあったから「カド」。拾吉さんが病に倒れて以降は、隆治さんが30年以上にわたって1人で切り盛りしてきた。

日立を再出発の地に選んだのは、海辺の街に喫茶店を開くのが夢だったから。約8カ月半の準備期間を経て、向島時代の「英国パブ風」から「英国貴族の別荘にあるビリヤードルーム」へとイメージを一新した。看板や陶製オブジェなど、創業当初からの品も引き継いだ。

壁や天井の一面に並んだ絵画は、100枚以上に及ぶ拾吉さんのコレクションの一部で、半年に1度、展示を入れ替えている。店内には、昭和前期の蓄音機や扇風機、壁時計なども飾る。

隆治さんのこだわりは、19世紀の英国を代表するデザイナー、ウィリアム・モリスのテキスタイル「ルリハコベ」をあしらった壁。「久慈浜は空気がきれいだから、透き通った緑にしたかった」と話し、約50通りの色の組み合わせを自ら試して塗装した。足踏みミシンを作り替えたテーブルの天板も同じ柄に、椅子は甘いクリーム色に仕立てた。

隆治さんは「カフェは総合芸術。料理や内装など全て含めて楽しんでもらえる、ただ美しい店をつくりたい」と熱弁する。メニューはジュースやコーヒーなどの飲み物とサンドイッチ、トースト。人気はアロエやセロリ、リンゴなど7種類の食材が入った「活性生ジュース」(650円)と「くるみパンのなすモッツァレラサンド」(600円)で、ナッツの香ばしい香りやパリッと食感が癖になる自家製パンと、爽やかなジュースの組み合わせで食が進む。

再オープンから1年。まだ店づくりの途中といい、「東京の店は完成し尽くしていた。またあそこまで持っていきたい」と夢見る。

■お出かけ情報
▽日立市久慈町3の12の27
▽午前11時~午後6時
▽定休日は水曜
▽(電)0294(47)9253
▽道路反対側に5台分の駐車場あり



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