《食いこ》OPEN SESAME(茨城・那珂市)
■夫婦と木、感じるぬくもり
道路沿いの雑木林に囲まれ小鳥のさえずりが聞こえる環境下で、ランチやコーヒーなどを提供する「OPEN SESAME」(オープンセサミ=茨城県那珂市横堀)が店を構える。オープンは1988年10月で、30年以上の歴史を持つ。彫刻家でオーナーシェフの志賀政夫さん(73)と妻の正枝さん(69)が切り盛りする。2人は「35年たったが、気持ちはオープンした時と同じ。これからも長く続けたい」と話す。
メニューはランチをはじめ、コーヒーや和紅茶、デザートなどが豊富にそろう。
食べ応えのあるランチはスパゲティ、ピラフ、ドリア、グラタン、ピザ、ぞうすいから選択。人気はピラフの中から選ぶ特製オムライス。市内業者の卵「ひまわりっこ」をぜいたくに3個も使用。味が濃厚な卵は、自家製トマトソースとの相性が抜群。カルボナーラなどでも使う。厨房(ちゅうぼう)で腕を振るう政夫さんは「奇をてらう料理でなく、味も盛り付けもシンプル」と語り、心を込めてもてなす。
コーヒーは、接客を担う正枝さんが丁寧にサイホンで入れる。「オープンセサミブレンド」がお薦め。デザートはチョコレートパフェとバナナパフェがあり、サイズは大中小の3サイズ。特にビッグパフェは1人では食べきれないほどボリュームたっぷり。
店内でひときわ目立つカウンターテーブルは、長さ540センチ、幅72センチの一枚板。「人が好き」という正枝さんが、テーブルを挟み、客との世間話に花を咲かせる。
隠れ家的な雰囲気を醸し出す店は、1級建築士の正枝さんの兄が設計した。店内で使用する椅子や飾り棚などは県内外の彫刻展に出品を続ける政夫さんの手作りだ。ギャラリーが併設され政夫さんをはじめ、他の作家の作品も展示する。店の裏側はアトリエで経営と作品作りを両立している。
雑木林はオープン時に植栽したもので低木だった。年輪が刻まれた数だけ常連客も増えた。週に何度もコーヒーを飲みに訪れるお年寄りや、若い客が親となり子どもを連れて来ることも。政夫さんは「体が続く限り続けたい」と語り、正枝さんは「皆さまに愛される店として守りたい」と笑顔で話した。
■お出かけ情報
▽茨城県那珂市横堀1899の5
▽営業時間は午前11時~午後5時(ランチは午前11時半~午後3時)
▽定休日は水、木曜
▽(電)090(6231)6297
▽インスタグラムのアカウントはopen_sesame_88
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