《食いこ》水戸木村屋(茨城・水戸市)
■パン屋のふんわりかき氷
茨城県水戸市の水戸木村屋は赤いシェードとレトロな外観が通りで目を引く老舗のパン店。大正末期に東京・銀座の木村屋からのれん分けして以降、3代にわたり「水戸のおいしいパン屋さん」として親しまれてきた。
現在、店を切り盛りするのは、パン職人でソムリエの資格を持つ中山俊宏さん(48)と、妻でパティシエの小百合さん(43)。新しいことに挑戦してみようと2016年、夏季限定のかき氷を始めた。「パン屋が出すかき氷」として人気を集め、恒例の商品になっている。
店のかき氷は、純氷を滑らかな口溶けになるように削り、ソースやシロップをたっぷり添える。小百合さんが冷たいかき氷に合う素材を見極め、ソースやシロップを手作りしており、和から洋まで、バラエティーに富んだ味が楽しめる。
定番の「いちご」にかけるシロップは、夫婦で収穫してきた生のイチゴを使うこだわりぶり。小百合さんは「洋菓子づくりの知識を生かして、味や甘さ、組み合わせを計算している」と話す。
お薦めは、自家製キャラメルソースにアーモンド、マスカルポーネを組み合わせた「塩キャラメル&マスカルポーネ」。甘さを抑えたほろ苦いソースは大人の味で、ふわっと溶ける氷によく合う。ブルーベリーとイチゴのソースに自家製カスタードを組み合わせた「ベリーベリー&カスタード」はボリュームがあって見た目も華やかだ。
本業のパンは、先代を手伝いながら俊宏さんが長年担当。店を継いだ今も、早朝4時過ぎから仕込みを始め、約25種類のパンをショーケースに並べている。食パンやバケット、総菜パンに菓子パン。一般の商品に比べ卵の分量が多いのが特徴で、「しっとり、ふんわりとした食感に仕上げる」と俊宏さん。
6日は、夏の風物詩「水戸黄門まつり」が4年ぶりに通常開催される。中心市街地のにぎわいに期待がかかり、同店も、かき氷とパンの両方を販売する。家族の歴史と100年続く味を守りつつ、店の3代目夫婦は、若い世代に足を運んでもらう仕掛けや、新しい味を提案していきたいという。
■お出かけ情報
水戸木村屋
▽水戸市南町3の5の3
▽8月は変則営業(14日を除く月曜と22~24日は休み)
▽営業時間は平日午前8時~午後6時、土曜とかき氷の日は午前11時~午後5時▽(電)029(221)4470
関連記事
- 《食いこ》SNK味噌工房(茨城・那珂市)
2022年7月31日(日) - 《食いこ》旬菜ダイニング ふ輪り(茨城・那珂市)
2023年6月11日(日) - 《食いこ》ナッシュビルカフェ(茨城・常陸太田市)
2023年6月25日(日) - 《食いこ》年宝菓子店(茨城・大洗町)
2023年7月9日(日) - 《食いこ》カラーズホームメイド(茨城・ひたちなか市)
2023年7月16日(日) - 《食いこ》にじいろカフェ(茨城・東海村)
2023年7月23日(日) - 《食いこ》水戸木村屋(茨城・水戸市)
2023年8月6日(日) - 《食いこ》ラ・メゾン・デュ・パン・クリハラ(茨城・水戸市)
2023年8月13日(日) - 《食いこ》芋好きの芋好きによる芋好きのためのお店(茨城・笠間市)
2023年8月20日(日) - 《食いこ》カフェと迷ってラーメン屋(茨城・土浦市)
2023年12月10日(日) - 《食いこ》菓笑 堀江製菓(茨城町)
2023年12月24日(日) - 《食いこ》木村屋本舗(茨城・水戸市)
2024年3月24日(日) - 《食いこ》OwL(茨城・つくば市)
2024年3月31日(日) - 《食いこ》マガリヤマ旨味工房(茨城・行方市)
2024年4月7日(日) - 《食いこ》M and C
2024年6月30日(日) - 《食いこ》CAFÉ 二葉(茨城・笠間市)
2024年8月4日(日) - 《食いこ》OPEN SESAME(茨城・那珂市)
2024年8月18日(日) - 《食いこ》山王珈琲焙煎所(茨城・取手市)
2024年8月25日(日) - 《食いこ》みそら亭(茨城・日立市)
2024年9月1日(日) - 《食いこ》ランチ&カフェ陶之助プラス(茨城・笠間市)
2024年9月15日(日) - 《食いこ》ROMII DONUT STORE(茨城・大洗町)
2024年9月29日(日) - 《食いこ》釜平(茨城・常陸太田市)
2024年10月6日(日) - 《食いこ》BORDER TOWN(茨城・境町)
2024年10月20日(日) - 《食いこ》銅山堂(茨城・石岡市)
2024年11月3日(日) - 《食いこ》安重水産(茨城・鹿嶋市)
2024年11月10日(日) - 《食いこ》POTATO LABO(茨城・ひたちなか市)
2024年11月17日(日)