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《食いこ》みそら亭(茨城・日立市)

天ぷらを揚げる「みそら亭」の店主・岩楯博史さん(手前)と妻の早苗さん=日立市若葉町
天ぷらを揚げる「みそら亭」の店主・岩楯博史さん(手前)と妻の早苗さん=日立市若葉町
塩味がお薦めの「鰺天丼」
塩味がお薦めの「鰺天丼」
平和通りに面した店舗
平和通りに面した店舗


■地元・会瀬の鰺塩天丼

茨城県のJR日立駅から平和通りを西方面へ徒歩10分。通り沿いに岩楯博史さん(50)と早苗さん(53)夫婦が営む天丼の専門店「みそら亭」がある。名物は地元日立市の会瀬漁港で水揚げされたアジを使った塩天丼。2023年4月にオープンして2年目。博史さんは「以前に使っていたアジとは全然違う。一度は食べてほしい」と笑顔を見せた。

岩楯さん夫婦は同年3月に東京都中野区から茨城県日立市に移住した。50年以上続くそば屋を受け継ぎ営んでいたが、コロナ禍の影響を受け、店を畳み田舎に移住することを決意。海の見える場所を条件に物件を探した結果、同市に住居を構えることになった。

飲食店を開くため、市内の物件を見て回ったが、店の面積などを考慮し、そば屋ではなく天丼の専門店を開くことを決定。これまではそばの脇役としての天丼を作っていたが、天丼が主役になるような味付けを目指した。

天丼は塩とたれの2種類を用意。塩は海洋深層水を使ったオリジナルブレンド。たれもそば屋で57年継ぎ足した秘伝のたれとなる。いずれも、白だしおろしショウガと、だし茶が付く。まずはそのまま食べて、その後、ショウガをのせてさっぱりと「味変」。最後は天茶にアレンジできる。この味を変化させる食べ方は早苗さんが提案。思いつくままにアイデアを出し、博史さんがそれを形にした。

定番メニューは、鰺(あじ)天丼や鶏天丼、海老天丼、野菜天丼など。ほとんどの食材が茨城県産となる。このうち、鰺天丼は地元の会瀬漁港から水揚げされたアジを使う。

オープン当初は、冷凍のアジを使っていたが、地元の障害者就労継続支援B型事業所の所長と知り合いになり、そこで処理したアジを使うことになった。初めて試食した時は、「いままでのアジと天と地ほどの差があった」と振り返る。さらに、このアジを使うことで障害者の支援にもつながる。

鰺天丼を食べた客からは「これまでアジは生臭く、食べることができなかったが、このアジはおいしく食べられた」と絶賛。博史さんは会瀬のアジにこだわっており、会瀬漁港でアジが取れなければ、その日はメニューに載せないという。今後は「会瀬アジ」がブランドになるよう取り組む考えだ。

■お出かけ情報
みそら亭
▽茨城県日立市若葉町1の18の3▽営業時間は午前11時~午後3時、同5~8時
▽不定休(詳しくはインスタグラムを参照)
▽(電)090(2948)4512
▽インスタグラムのアカウントはmisora_tei



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