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《食いこ》夢みるじっち(茨城・行方市)

自慢のニンジンを手に笑顔を見せる大和田昌幸さんと妻のかおりさん=行方市中根
自慢のニンジンを手に笑顔を見せる大和田昌幸さんと妻のかおりさん=行方市中根
サブスクリプション(定額利用)登録者に、月1回届けられる「季節の野菜セット」
サブスクリプション(定額利用)登録者に、月1回届けられる「季節の野菜セット」
有機質肥料を主な原料とし微生物によって分解・発酵されたボカシ肥
有機質肥料を主な原料とし微生物によって分解・発酵されたボカシ肥
道の駅いたこ
道の駅いたこ


■食守る安全野菜お届け

茨城県行方市にある足首まで沈むかと思うほど柔らかい畑で、今抜いたニンジンを「どうだ」とばかりに掲げる大和田昌幸さん(44)と妻のかおりさん(39)。「日本の食を守れるのは農業。つらいこともあるが夢もある仕事-と示したい」と豊かな大地と温暖な気候がもたらす、確かで安全な農作物を行方の地から送り出す。

大和田家の祖先は1600年代(江戸時代)までさかのぼれる農家。大和田さんの父親は、サツマイモ、キャベツ、セリ、ゴボウ、米を作っていた。大和田さんの代から多品目栽培に切り替え、野菜の詰め合わせを作って商談会やマルシェで存在感をアピール。競争力強化を図った。

現在はハクサイ、レンコン、ダイコン、ターサイ、ニンジン、ホウレンソウ、サツマイモ、トウモロコシ、ミニトマトなど年間を通じて約20~30品目の季節野菜を、主に生協へ出荷する他、旬の「季節の野菜セット」を契約者へ送り届ける。

農園の野菜は「しっかりとした身と野菜本来の味と言われます。繊維質が少なくみずみずしい。食感は果物のようだとも-」と大和田さん。その秘密は「化学肥料や農薬に頼らず、土の力を最大限引き出す有機栽培を続けた結果」ときっぱり。

父親が始めた有機栽培を大和田さんが受け継ぎ、有機肥料を基に作るボカシ肥や緑肥、キノコの菌床堆肥などを土に入れ「微生物の力で土づくり」の工夫を重ねてきた。微生物の活性を促す、独自調合の自家製液肥を畑や作物にまき、病害虫や天候不順に強い作物が育っている。

もう一つの特徴は「月のリズム農法」の実践。月の満ち欠けは農作物の成長に影響するとされ、月齢に合わせた栽培管理の方法だ。「例えば新月の後は病気になりやすいとか、小潮の時は肥料をやりすぎないとか」などを考慮することで、より的確な世話や病害虫対策を行える。大和田さんに倣って実践を始めた農家でも効果が出ているという。

フードロスを減らすため、出荷できないキュウリをピクルスに加工する6次産業化にも取り組む。「これからもおいしい野菜を作り、明日の担い手たちに稼げる農業を見せられれば」と意欲的だ。

■お出かけ情報
夢みるじっち
▽問い合わせは同サイト(https://www.yumemiru-jitchi.com/)問い合わせフォームから。
▽(電)080(2678)0650(午前8時~午後5時、不定休)
▽道の駅いたこでも販売中(電)0299(67)1161



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